結論から言うと:JGFS会員4人の実際のレーススプリットを並べると、完走タイムが1時間10分から1時間40分に伸びるあいだに最も膨らむのは「ウォールボール(5:32→10:46)」と「ラン平均(4:30→6:15)」で、スレッドプッシュはむしろ遅い人ほど速いという逆転が起きていました。差がつくのは「重い種目」ではなく「最後の100回」と「種目のあとに走れるか」です。
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この記事は、五反田JGFSの会員が記録アプリに入力した2026年のレース記録のうち、8種目のスプリットが揃っている4本を匿名で並べたものです。サンプルは4人。統計ではなく、現場のコーチが「次に何を練習するか」を決めるために見ている数字の見方をそのまま公開します。記録が増え次第、この記事は更新します(最終更新:2026年9月)。
この記事の前提
- 対象:JGFS会員4人(Open男性)。2026年1〜8月の大阪・バンコク・千葉大会
- ラン平均にはROXZONE(種目間の移動)を含む。会員の入力仕様による
- 会員が自分で入力した値で、公式リザルトとの突合は各自が実施
- 個人が特定されないよう、会員名・年齢は伏せている
1. 4人のスプリット一覧
| 会員 | 大会 | 総合 | ラン平均/km(移動含む) | SkiErg | Sled Push | Sled Pull | BBJ | Row | Farmers | Lunges | Wall Balls |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | HYROX大阪 2026(1月) | 1:09:54 | 4:30 | 4:30 | 3:28 | 3:52 | 4:34 | 4:11 | 2:54 | 4:53 | 5:32 |
| B | HYROXバンコク 2026(3月) | 1:11:06 | 5:16 | 4:31 | 3:05 | 3:57 | 2:34 | 4:50 | 2:01 | 3:43 | 4:17 |
| C | HYROX千葉 2026(8月) | 1:26:07 | 5:52 | 4:47 | 2:59 | 5:07 | 4:13 | 5:23 | 2:36 | 6:20 | 7:46 |
| D | HYROX千葉 2026(8月) | 1:40:46 | 6:15 | 5:41 | 2:22 | 6:06 | 6:32 | 5:40 | 2:08 | 4:07 | 10:46 |
BBJ=バーピーブロードジャンプ。時間はすべて分:秒。

2. 完走タイムの内訳:ランが5割、種目が4割
| 会員 | 総合 | ラン合計(×8) | 種目合計 | ランの割合 |
|---|---|---|---|---|
| A | 1:09:54 | 36:00 | 33:54 | 52% |
| B | 1:11:06 | 42:08 | 28:58 | 59% |
| C | 1:26:07 | 46:56 | 39:11 | 55% |
| D | 1:40:46 | 50:00 | 46:42(+移動約4分) | 50% |
4人ともランが総合の5〜6割。Bはランで6分遅い分を種目で5分取り返しており、「ランが遅くても種目で勝負できる」ことが分かります。Dは種目合計とランの合計が総合に4分届かず、この差がROXZONEのロスと見られます。
3. 種目別:どこで差が開くか
| 種目 | 最速(A/B) | 最遅(D) | 差 | 読み方 |
|---|---|---|---|---|
| Wall Balls | 4:17 | 10:46 | 6:29 | 最大の差。分割の回数と休みの長さで決まる |
| Burpee Broad Jump | 2:34 | 6:32 | 3:58 | 心拍が上がる種目。リズムが崩れると倍かかる |
| Sled Pull | 3:52 | 6:06 | 2:14 | 握力と脚。後半の握力切れ |
| Lunges | 3:43 | 6:20(C) | 2:37 | 疲労状態の脚。歩幅で歩数が変わる |
| Rowing | 4:11 | 5:40 | 1:29 | 差は小さい。回復区間として使えているか |
| SkiErg | 4:30 | 5:41 | 1:11 | 差は小さい。第1種目で飛ばしすぎない |
| Farmers Carry | 2:01 | 2:54(A) | 0:53 | 差は小さい。下ろさなければ大きく崩れない |
| Sled Push | 2:22(D) | 3:28(A) | 1:06 | 逆転。総合最遅のDが最速 |
スレッドプッシュは「最大の関門」と言われますが、この4人では総合タイムと相関していません。差がつくのはウォールボールとバーピーブロードジャンプ、つまり疲労が溜まった状態でリズムを保てるかの種目です。
4. コーチが4人に出した次の練習テーマ
- A(1:09:54):ウォールボール5:32が唯一の穴。20回×5を休み5秒で回す練習を週2回。1時間5分が見える。
- B(1:11:06):種目は全員中最速級。ラン平均5:16を4:45にできれば1時間5分切り。種目直後の1kmラン反復。
- C(1:26:07):ランジ6:20とウォールボール7:46。脚の筋持久力。サンドバッグランジ40m×4と、ウォールボールの分割練習。
- D(1:40:46):ウォールボール10:46とBBJ 6:32で13分。スレッドは速いので脚力はある。一定リズムの練習(BBJ 20m×4、ウォールボール15回×7)とROXZONEで歩かないこと。
共通するのは「一番遅い1種目だけを次のテーマにする」こと。全部を直そうとしない。手順はタイム分析の手順、テンプレートはスプリット記録テンプレートへ。
5. この分析の限界
- 4人分のデータで、統計的な結論は出せない
- ランにROXZONEが含まれるため、純粋なラン能力は過小評価される
- 会員の自己入力値であり、公式リザルトとの突合は各自の責任
- 大会(会場の床材・気温)が異なるため、スレッドの数値は横比較に注意
JGFSでは記録アプリでレース記録の蓄積を続けており、10人分以上揃った時点でレベル別の中央値を公開する予定です。
6. よくある質問
4人分のデータで結論を出していいのですか?
出せません。この記事は「傾向の仮説」であり、統計的な結論ではありません。JGFSでは記録アプリで会員のレース記録を蓄積しており、サンプルが増え次第この記事を更新します。
ランのタイムにROXZONEは含まれていますか?
含まれています。会員の記録アプリではラン区間にROXZONE(種目間の移動)を含めて入力しているため、「ラン平均」は実質「ラン+移動」です。
自分のスプリットを同じ形で分析したい
スプリット記録テンプレート(無料)に公式リザルトを転記すれば、同じ表が作れます。分析の手順はタイム分析の手順へ。
1時間を切るには何を変えればいい?
この4人の比較では、1時間10分前後の2人はラン平均4:30〜5:16、ウォールボール5:30以内。1時間切りにはラン平均4:15、種目合計30分以内が目安になります。目標タイムの配分を参照。
7. まとめ
差がつくのは重い種目ではなく、疲れた状態でリズムを保つ種目(ウォールボール・BBJ)と、種目のあとのラン。本番の器具で「疲れてから回す」練習をしたい人は、五反田JGFSの初回体験(1回3,300円・税込)へ。会員は記録アプリでスプリットを管理し、コーチが次のテーマを決めます。
出典・確認元
- JGFS会員 記録アプリのレース記録(2026年1〜8月、8種目のスプリットが揃う4本。匿名化)
- HYROX公式サイト(種目規定)


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